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最後になりますが、器は決して宝物ではないこと。使って楽しむことが大切ですね。もし宝物とすれば使って楽しむ宝物です。
ですからジュエリーと同じように考えていただきたいと思います。
私たちが普段、指にしている、じゃまにならない、それでいてしてないとなんとなく落着かない、そんな指輪と、ちょっとおしゃれにする指輪とございます。
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持ってるだけで押入に納まったり、これはもったいないからとか、お客様が来るときだけというのではなくて、お客様ではなくて、自分をもてなすための器としていい器を使っていただきたいのです。
私もこのごろちょっと考え方を変えました。今までは、いろいろな器がたくさんあればうれしいと思っていたんですけれども、そうではなくて厳選していい器を使って、そしておいしく食べたいなということを心がけております。
ちょっとお高い器でも、年月勘算しましたら、丈夫で、使っていて楽しいとなりますと、結構お安くなります。その辺が、物を選ぶ時の一つのチェックポイントなのかなという気がいたします。
それともう一つ、器が大事になってきた理由がございます。
私ども料理をする時間がどんどん短くなってきています。奥様方は、あれこれお忙しくってなかなかお家にいらっしゃる時間が少なくなっています。外出される機会も増えています。
それと同時に、だんだん歳をとってきますと、子供のために食事を作るのではなくて、夫婦だけのために食事を作ることが多くなってきます。
そうすると今まで何種類も料理をつくったりしてきたのが、種類も量も少なくなってきます。けれど量は少なくなったけれども、いろいろな品、おいしいものをちょっとづつ食べたいなと思うようになります。
そして同時に、油物がなくなってきます。食卓の中に、ちょっとづつ制限が出てくるということになります。体にいい食事をし始めますと、量でなくて中身の問題になります。
でもそれを一品、一品ご家庭のキッチンで作っているとなかなか時間がかかってしまいますし、むだが多くなります。となりますと、デパートの地下のお総菜とか、レトルトなど半製品のもの、冷凍食品など調理された品をお使いになることも多くなってきてると思います。
それをちょっといい器に入れ替えるだけで大変においしくいただけます。それで、おいしく召し上がっていただく。会話が進むということが非常に大事なことではないかと思います。
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