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陶器とかやき物を扱っている展示会はとても多く、私も仕事柄いろいろな食器を扱います。
けれども、いつも思うことはやはり器にパワーがあって元気が出る器、なおかつ料理をおいしく見せてくれる器を探しますと、あるようで意外に少ないのです。
どんな食卓なら元気が出るかといいますと、まずは色です。色で非常に元気のいい食卓、パワーのある食卓ができます。 |
色のなかでは赤です。もちろん真っ赤な食器というのはありませんから、食材の中に、赤を必ず1色は入れるということが大事ですね。それから次に黄色です。たとえば、たくわんの黄色。この色がありますとパワーを出してくれます。
その次に緑です。栄養価からいきますと繊維質の物です。この3色が必ず食卓の上に乗っている。そして、たとえ食材になくても器の中や周りのクロス、お花などに三色があることが大事です。
その次に、器の色です。日本の器の一番の特徴は藍色、染付けの色。これも料理をおいしく見せる大事な色でございます。色彩学から言いますと、この藍色や水色は食欲を落とす色なのです。食べ物とか食材はほとんどが暖色系の色なのです。
ファッションと同じで暖色と寒色を混ぜると落着きが悪い。食べ物は暖色系なので暖色系の器、赤だとか黄色だとか、緑と合わせると非常に落ち着くのです。紺という色、ブルーという色はどちらかというと、寒色系ですから合いにくのです。
ところが、世界中の人たちの磁器に対する刷込みがあります。
昔からなのですが、染付けで使っておりますコバルトのブルー色は、もともとトルコにあり、シルクロードを通って唐から韓、日本に行き、また中国の景徳鎮や有田から、ヨーロッパにまわったというルートがございます。
そうした歴史のなかでブルーが非常に貴重な物、すばらしい物、器としては良い物だという認識が多くの人々の頭の中に自然に刷込まれていったのです。
色彩学上では食材の暖色と器類の寒色は合わないのですけれども、良い(貴重な)器に料理がのって出てくることでおいしいという、400年近いDNAがそうさせるのですね。
ですから、色彩学の先生はおかしいとおっしゃるけれども、私たちはそういった器がおいしいし、染付けの器は生活の中から外すことができないのです。
次に、やきものは石の素材と土の素材と泥の素材と大きく分けると3つございます。泥の素材というのは、急須だとか、朱泥の急須や常滑焼きのような品です。
その次に土の器と石の器、いわゆる陶器と磁器があります。
さらに、自然素材として木の物、竹の物、そういった植物性繊維の器を入れると私たちの食卓は非常にパワーがあって、おいしくて、なおかつホッとする。これがとても大事な器使いかなと思います。
では、素材の違いによる器の使いわけの割合はどれくらいがいいのでしょうか。コーディネートで上手く組み合わせるには石の器が6割、そして土の器が2〜3割、あと少なくとも1から2割の間は植物性繊維の器を使うのがやはり合理的で扱いが良くて、そしてなおかつ楽しい。食卓の配置の中にそれぞれの器たちが入ったときに出てくる力が平均的になる感じでございます。
私が源右衛門窯の器が好きなのは、まず一番はじめに元気が出るということですね。他の染付けに比べますととっても力強い。どっちかというと男性的かな?という気がいたします。この力強さが、料理を、普通の同じ煮っころがしでも、とても元気のいい煮っころがしにしてくれるんですね。
これはやはり器の持ってるパワーなんです。で、それを食べればやはり元気になるんです。ですからやはり源右衛門窯の特徴というのは、器にパワーがあるということが一番ではないかと思います。
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