ホーチミン歴史博物館
■ホーチミン市で出会った有田の古伊万里-1 1日目
ビンタイ市場
1. ビンタイ市場
ホーチミン市歴史博物館
2. ホーチミン市歴史博物館
染付龍鳳凰文の食器
3. 染付龍鳳凰文の食器
染付古伊万里 瓶
4. 染付古伊万里 瓶
染付古伊万里 鉢、皿
5. 染付古伊万里 鉢、皿
染付牡丹絵 蓋壺
6. 染付牡丹絵 蓋壺
トプカプ宮殿の染錦手 蓋壺
7. トプカプ宮殿の染錦手 蓋壺
第1日目はホーチミン市から研修開始。先ず最初に、市内のチャイナタウンであるチョロン地区にあるビンタイ市場を見学しました。(写真1)この市場は食材から生活雑貨まで、あらゆるジャンルの小さな専門店が軒を並べており、最も豊富ですが各アイテムのバリエーションは少ない印象を受けました。なかには、やきもの専門店もあり、現在ベトナム国内で使われている食器の種類や使われている文様を見ました。

午前10時よりホーチミン市歴史博物館見学。(写真2)入口で学芸員の出迎えを受け館内へ。まず、クメール タイ 中国 日本などアジア各国の仏像の展示室を見学の後、ちょうど開催されていたベトナムのコレクター、VUONG HONG SEN氏(1902〜96)の陶磁コレクション展を見ることができました。

コレクションの内容は主に中国陶磁で、なかにはグェン(阮)朝(1802〜1945)の宮廷で使うために中国・景徳鎮へ注文された緻密な「龍鳳凰文」の絵付けが施された染付磁器もありました。(写真3) 龍と鳳凰は中国ではそれぞれ皇帝と皇后のシンボルですし、高台内には中国の官窯製品に記される「内府」等の文字も見られ、ベトナムの王朝文化がいかに中国の影響を受けていたかが、これらからも容易に窺うことができます。

そして、氏のコレクションにも数点の染付古伊万里(1600年代後半〜1700年頃)が含まれていました。(写真4.5)それほど珍しい形状や文様ではなかったが、今回の旅行で初めて眼にする古伊万里です。

学芸員の解説を通訳してもらいながら見学の途中「見てもらいたいものがある」と、ひとつの蓋壺の前に連れていかれました。(写真6)

牡丹を描いた染錦手の大きなもので、表記は「中国製」となっていました。上絵の剥落と変色が著しいのですが、残った染付部分を見ると、間違いなく1700年前後に有田で造られた古伊万里なのでその旨を伝えました。以前トルコのトプカプ宮殿で見たものに似てると思い、帰国後確認すると姉妹品と言える程近いものでした。(写真7)どんな経緯でベトナムに伝世したのかは解りませんが、こういう上手の製品がこの地にもたらされていたことに驚きを感じました。

常設のベトナム陶磁や古伊万里を見学した後、他に古伊万里の収蔵品があるか確認したのですが、ないとの返事でした。

午後2時、ホーチミン市美術博物館を見学。この建物はフランス植民地時代の華僑の住宅だったもので、見事なコロニアル様式の建築で、ここでは19世紀のベトナム陶磁と現代絵画を見ました。

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器に学ぶ世界の古窯めぐりベトナム・伝世古伊万里の旅