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8. 染付風景文 蓋壺 |
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9. 染錦草花文 蓋壺 |
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10. 染付兜唐草文 蓋壺 |
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その後VAN TROI通りの骨董街へ散策に出かけまし。前回訪れた時にかなりの数の古伊万里を確認した場所ですが、どの店の人も古伊万里を認識しておらず、全部中国製と言っていたのを思い出しました。
当時の街並みの雰囲気とそれほど変化なし。何軒か廻りましたが、染付芙蓉手皿や染付の鉢、瓶など先程、歴史博物館で見たのと同じようなものが散見できました。
ガイドのクン氏が知り合いの店があるというので覗いてみました。試しに店の主人に日本のやきものがあるか訊ねると、すかさず17世紀後半の染付の壺を「ARITA」だと言って見せてくれました。(写真8)かなり情報が入っているようです。他にもあるからと二階へ案内されると、驚いたことに中国磁器に交じって古伊万里の染錦手沈香壺(17世紀末〜18世紀初 蓋は欠損)が置いてありました。(後にフエで同一品を確認)他にも同時代の染付の沈香壺(これも蓋は欠損)もあり、これまで食器を中心にした小品だけと思っていたベトナム伝世の古伊万里への認識が、この時点で大きく変化しました。(写真9.10)
また、余談ですがこれらの古伊万里がフランスのガレー工房のガラス器と並べられているのもベトナムの骨董店ならではのことで、この国が持つ歴史の複雑さの一端を見るようでした。
ホテルに戻り夕食までの間、ブルーミング中西(株)の中西氏らの市場調査に同行。刺繍の専門店や、最近日本でも話題の洗練された店造りと商品を揃えた雑貨店を見て廻りました。
もともとベトナムは刺繍が盛んで、日本の繊維業界もドイモイ政策が始まってからは、多くの企業が進出していると聞いています。雑貨店の多くはフランス人のオーナーやプロデュースということですが、やきものやテーブルリネンから、カトラリー、箸などの小物類にまでヨーロッパとアジアのテイストがうまく交じり合い、モダンと伝統のバランスがうまくとれているという印象を受けました。
これからの「和」を考える上でも参考になる店廻りでした。 |
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