古伊万里資料館
初期伊万里



資料館内部 1階の奥へどうぞ。
こちらが初期伊万里のコーナーです。


染付吹墨兎文中皿
染付吹墨兎文 (SOMETSUKE-FUKIZUMI-USAGI-MON)  中皿
(1630〜1640年代 径20.0cm)

この小さな皿は、1630年から1640年代の、有田初期の磁器です。渡来した朝鮮陶工たちがつくったものと考えられます。
みどころは兎の姿の佳麗さと躍動感。この吹墨(ふきずみ)と呼ばれる技法自体も、道具に何を使ったかについても、今でもナゾなのです。それに、初期伊万里以降には、この吹墨の伝世品が極めて少ないのです。
こんなに小さな一枚の古い皿に、東洋磁器の流れとロマンが感じられませんか。
縁(ふち)が平縁になった型は、李朝白磁に同型のものがあります。そして、裏面の高台の造りや仕上げは古唐津と共通であるという、初期伊万里だけの皿の特徴を持つ逸品です。


染付松竹梅文徳利
染付松竹梅文 (SOMETUKE-SHOCHIKUBAIMON)徳利
(1630〜1640年代 高さ22cm)

有田の古窯「天狗谷」から発掘された初期伊万里です。とても優美なフォルムには李朝の伝統が受け継がれています。みごとに流麗な筆運びは、明朝の墨絵の気品を感じさせます。完成度の高さから渡来人の作品ではないかと考えられています。
じっと見ていると、400年近くの歳月を越えて、この小さな壺をつくった陶工たちの息づかいまで伝わってくるようです。



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